超重泥水・各種覆土の 放射線遮蔽性能評価 (受託機関:早稲田大学)

 土や地盤には、高い放射線遮蔽性能がある。早稲田大学地盤工学(小峯秀雄)研究室では、この点に注目し、ガンマ線と中性子線に対して高い遮蔽性能を有する超重泥水の放射線遮蔽特性や粘性特性、壁面作用圧の測定と評価を行っている。また。除染廃棄物の保管に用いる覆土材としての利用が有望視される関東ロームを含む各種土質材料の放射線遮蔽性能の測定も行っている。
 これらの実験結果に基づき、実現可能性の高いデブリ取出し補助技術の開発・提案とその適用評価、福島第一原子力発電所構内の除染廃棄物の一時仮置き施設の覆土材のガンマ線遮蔽特性データに基づく仕様(層厚や乾燥密度)設計法の開発を進めており、さらに実際の施工性を定量的に評価するための模型実験方法の構築も行っている。
 なお、これらは西武建設(株)・(株)ホージュン・ソイルアンドロックエンジニアリング(株)・花王(株)の技術者と共同研究として実施している。

主な研究成果

1) デブリ取出し補助技術として、ガンマ線と中性子線の両方の遮蔽性能を有する超重泥水技術の開発およびガンマ線
 遮蔽性能と遮水性能の両方を保有する覆土材の開発
2) 超重泥水の仕様(比重、ホウ素含有、層厚)に応じたガンマ線と中性子線それぞれの遮蔽特性データベースの構築
3) 覆土材候補の各種土質材料の放射線遮蔽特性データと土質材料の含水状態・保水状況と放射線遮蔽特性の関係の整理
4) 超重泥水の粘性特性と充填性・施工性の関係評価、充填性評価模型実験方法の構築、デブリからの発熱の影響評価
5) 廃炉シナリオ検討のため、開発した超重泥水・土質材料の利用を想定したシナリオメニューを試作

資料