「福島第一原子力発電所の廃止措置への貢献を目指す 『廃炉地盤工学』」に関する講習会

 地盤工学会では、文部科学省に採択された「福島第一原子力発電所構内環境評価・デブリ取出しから廃炉までを想定した地盤工学的新技術開発と人材育成プログラム」を通じて、福島第一原子力発電所の廃止措置に向け、地盤工学的技術の貢献を促進するべく活動を行っている。
 本講習会は廃炉地盤工学委員会の主要活動の一つである「廃炉地盤工学の創設」と「人材育成」に関わるもので、地盤工学関係者だけでなく原子力工学関係者にも広く呼びかけ「廃炉地盤工学」に関する議論の場としているものである。2016年度の「廃炉地盤工学の全体枠組み」に関する講習会、2017年度の『廃炉地盤工学』の学問単元「地盤施工学」に焦点を当てた講習会、2018年度の「地盤材料学」と「地盤環境学」に焦点を当てた講習会に引き続き、本年度は上記委託事業の最終年度にあたることから、廃炉地盤工学創設に関する総まとめ的なものと将来への活用に関する話題を内容として開催した。

■日時 :2019年12月10日(火)14:00~17:30
■場所 :地盤工学会(JGS会館) 地下大会議室
■参加人数 :46名

 講習会では、前半に総論と「地盤環境学」、「地盤材料学」の概要について講演がなされ、後半は、廃炉地盤工学の将来の活用に関する話題提供、公表されている廃炉シナリオの分析と技術マップに掲載された地盤工学技術の適用性について述べられた後、廃棄物処理を主題とした事故廃炉と通常廃炉の関係性について議論がなされた。
 質疑応答では、廃炉地盤工学の今後の活用方法や地質学分野等へのカバー範囲の拡大などについて、活発な意見交換・議論がなされた。

■講習会プログラムと講師一覧
 ① 廃炉地盤工学設立の意義と概要     後藤 茂(早稲田大学)
 ② 地盤環境学              鈴木 誠(千葉工業大学)
 ③ 地盤材料学              小峯 秀雄(早稲田大学)
 ④ 廃炉地盤工学における地盤施工学    後藤 茂(早稲田大学)
 ⑤ 廃止措置への活用(技術のマッチング) 菱岡 宗介(パシフィックコンサルタンツ㈱)
 ⑥ 廃棄物処分と廃炉地盤工学       渡邊 保貴(電力中央研究所)
 ⑦ 質疑応答               司会:小峯 秀雄(早稲田大学)

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